企業が継続的に利益を出していくには、新規顧客の獲得と既存顧客の育成・契約継続が重要になっていきます。
特に新規顧客は、アプローチ次第で貴社の商品・サービスを継続的に利用してくれる優良顧客になる可能性を秘めています。
しかし新規顧客の営業では、接点のない企業との関係をゼロから築いていくため、なかなか苦戦を強いられている企業も多いのではないでしょうか。
新規顧客の営業では、顧客にあわせたアプローチ方法が求められます。
当記事では、前半で新規顧客のアプローチ方法を7つ、後半で新規顧客への営業で準備すべきポイントについてご紹介しますので、新規顧客の獲得の際にぜひ参考にしてください。
目次
新規顧客営業の重要性
自社の商品・サービスを継続的に利用してくれる既存顧客も、最初は新規顧客から始まります。新規顧客の獲得なくしては、顧客との良好な関係構築には至らないのです。
また既存顧客の客離れのリスクもあります。「こっちのほうが安いから」「あっちのほうが魅力的だから」という理由で他社の商品・サービスに乗り換えることもあります。いつまでも商品・サービスを利用してもらえるとは限りません。
このように事業の成長性・継続性の観点から、新規顧客の獲得は重要なプロセスであると言えるでしょう。
顧客の種類の理解がポイント
顧客と一言で表現しても、以下の5つの種類の顧客がいることを認識して、アプローチを考えることで、より適切な営業方法を選択することができるようになります。
潜在顧客
潜在顧客とは、漠然とした悩みや不安、不便さを理解しながらも、具体的なニーズまでは認識できていない状態に加え、自社(解決サービス・商品の提供側)のサービスや商品についても認識していない状態です。
この状態の顧客は、まだ自身が何をしたらいいのか、何を欲しているのかを理解できていないため、簡単に自社の新規顧客になってくれることはありません。
見込み顧客
見込み顧客とは、すでに自社の悩みやニーズをある程度適切に把握しており、すでに自社の商品やサービスについて認識していたり、どのようなサービスがあるのかを比較検討していたりするような状態でありながら、まだ自社との契約をしていない顧客です。
潜在顧客よりも検討段階が進んでおり、契約の一歩手前状態であるため新規顧客獲得という意味では最も手厚くコミュニケーションをしたい顧客です。
ちなみに、マーケティングの世界では見込み顧客のことを「リード」と呼びます。
新規顧客
新規顧客とは、これまで取引がなかったが、新しく取引を開始することになった顧客のことを指します。B to Cの事業では、新規ユーザーとして表現されることもあります。
「契約1ヶ月までを新規顧客とする」や、「新規契約から1年までを新規顧客とする」など、新規契約開始からどこまでを新規として扱うのか定義は企業により差がありますが、多くの企業では、売上向上のために獲得を目指しているのが新規顧客です。
既存顧客
既存顧客とは、新規顧客の状態から「取引がある(あった)顧客」という状態になった顧客のことを指します。
新規顧客のところでご紹介したように、「どこからが既存顧客なのか」は企業により定義が違いますが、この既存顧客の中からどれだけの方々が繰り返し発注・購入をしてくれるのかが企業の売上基盤構築には重要になります。
リピーター
リピーターとは、自社の商品・サービスを繰り返し発注・購入してくれる顧客のことを指します。多くの企業では、新規顧客ではなくリピーターの売上によって売上基盤が構築されているため、企業としては「どれだけ既存顧客からリピートしてもらえるのか?」を重要視していることも少なくありません。
また、リピーターは大きな営業コストをかけなくても発注・購入をしてくれるため、非常に利益に貢献してくれる顧客ともいえます。
新規顧客の営業アプローチ方法10選
新規顧客の営業方法は大きく、プッシュ型・プル型の2パターンに分けることができます。
プッシュ型とは、「push(押す)」の名前の通り、企業側から能動的にアプローチする営業スタイルです。
プッシュ型のメリットは、見込みのある企業を選定してアプローチができることです。
顧客の情報をきちんと把握・分析して提案することで、顧客でさえ気づかなかったニーズを引き出すこともできます。
プル型とは、「pull(引く)」でプッシュとは反対の意味合いをを持ち、相談や問い合わせがあった顧客に対してアプローチする受動的な営業スタイルです。
相談や問い合わせをする顧客は、自社の商品・サービスに興味や関心を持っている人が多いので、成約につなげやすいです。
両者ともに新規顧客の獲得において有効な手段です。必要に応じて使い分け、自社に適した獲得方法を試してみましょう。
プッシュ型のアプローチ方法4つ
ここでは、プッシュ型のアプローチ方法としておすすめの4つを紹介します。
①テレアポ
テレアポとは、企業や個人に電話をかけてアポイントをとる営業スタイルです。電話番号さえあれば営業が可能であり、短時間でより多くの企業にアプローチすることができます。
また、テレアポはコストがあまりかからないのもメリットです。基本的にかかるコストは人件費と電話代だけであり、営業コストを抑えたい企業にとって非常にコスパのいい獲得方法といえます。
②飛び込み営業
飛び込み営業とは、直接企業に訪問し提案する営業スタイルです。対面で営業ができるので、担当者に会えれば、即座に顧客のニーズをヒアリングし、商談に進める可能性もあります。
しかし自分の足で企業を訪問する必要があり、営業効率が悪いのがデメリットです。飛び込み営業主体の営業をするのではなく、空いたスキマ時間に行くなど、通常の営業活動に織り交ぜて行うと効率的です。
③DM
DMとはダイレクトメールの略称で、郵便やFAX、電子メールを使って個人や法人宛に送付し、営業や宣伝を行うスタイルです。
DMはターゲット顧客や商品・サービスにあわせて、原稿の内容やデザインを自由に変更・カスタマイズできます。
また電子メールの場合、到達率や開封率、クリック率などの指標を測定することができ、今後の施策に活かすことができるのもポイントです。
④問い合わせフォーム投稿
近年、企業でもホームページを公開していることが一般的となっており、ターゲットとなる会社のホームページに設置されている問い合わせフォームにメッセージを投稿し、営業を行うのもプッシュ型アプローチです。
社内でのデスクワーク中や自宅でリモートワーク中でもピンポイントかつ複数の会社に一気にアプローチできるため、アプローチの効率が良いというメリットがあります。
しかし、メッセージ内容や頻度によっては自社のブランドイメージや心象が悪くなる可能性も高く、送付するメッセージ内容やタイミングには注意が必要です。
プル型のアプローチ方法6つ
続いては、プル型でおすすめの6つのアプローチ方法をご紹介していきます。
⑤オウンドメディア(自社ブログ)
オウンドメディア(Owned Media)は「自社で保有するメディア」を意味し、自社から情報を発信し、運営するメディアを指します。
オウンドメディアを立ち上げる目的は、商品やサービスを認知してもらうための「きっかけ」を作ることです。どんなに商品やサービスが充実していても、それらを顧客が直接調べなければ知ることはできません。
昨今インターネットやスマートフォンの普及で、老若男女問わず多くの人がそれぞれの目的に応じて検索をしています。
オウンドメディアの活用でユーザーに役立つコンテンツや問題解決できる情報を発信することができれば、商品・サービスの認知拡大、ひいてはブランディング効果が期待できます。
⑥リスティング広告
リスティング広告とは、検索連動型広告とも呼ばれ、GoogleやYahoo!などの検索エンジンにおいてユーザーの検索結果に連動して表示される広告を指します。
一般的に広告を表示させたいキーワードが決まったら入札し、入札金額に応じて掲載順位が決まるという仕組みです。
費用は安いところで1,000円から入札することが可能です。しかし競争率の高いキーワードの場合は大手企業が参入してくる可能性があり、入札金額が万単位からというのもざらです。
リスティング広告を検討する際は、「ニーズがあるか」「ターゲットが明確か」などを判断基準に自社の状況やタイミングを踏まえてから出稿するようにしましょう。
⑦マスメディア広告
新聞、テレビ、ラジオなどのマスメディアへの広告出稿は、非常に多くのリーチを獲得できるため、サービスや商品、自社への認知度を一気に上げることができるため、有効な手段といえます。
しかし、数多くのリーチが獲得できる反面、費用が非常に高額になり、費用対効果が悪くなってしまう可能性もあるため、注意が必要です。
⑧SNS
昨今では個人だけではなく企業がSNSを利用するのが当たり前になってきました。
SNSの代表例として「Twitter」「Instagram」「Facebook」「YouTube」「TikTok」が挙げられます。
SNSは無料で始めることができるので、いわば「費用のかからない無料の広告媒体」といえます。
SNSは拡散性が高く、有益だったり魅力的な情報であったりすればユーザーが自発的に情報を共有してくれます。不特定多数の認知を広めることができ、広告宣伝・ブランディング効果に期待ができるでしょう。
➈プレスリリース
プレスリリースとは、各メディアに向けて企業の最新情報や最新の商品・サービスを文書にまとめたものです。
一つひとつのメディアにプレスリリースを配信するとなるとかなりの手間を要します。PR TIMESなどのプレスリリース配信サービスを利用して一斉配信し、効率的に発信するのが一般的です。
ニュースとして価値があると判断され、番組や記事で取り上げられれば、商品・サービスの認知度の拡大や自社イメージの向上につながります。
費用も3万円/1件〜(PR TIMES|従量課金プラン)から利用することができ、自社で広告を打ち出すより費用を抑えることができるので費用対効果も高いといえます。
⑩顧客を紹介してもらう
顧客を他社と提携もしくは既存顧客から紹介してもらうことも忘れてはいけません。
特に既存顧客からの顧客紹介は、すでにサービスや商品に満足をしていない限り発生しないことであるため、提携している企業からの紹介よりも成約率の高い顧客紹介となり得ます。
そのため、顧客を紹介してくれた場合のインセンティブなどを設け、積極的に提携先や既存顧客から顧客紹介をしてもらえる仕組みを作っておくことをおすすめします。
即効性と効率性を求めるなら「テレアポ」がおすすめ
短期で新規顧客を獲得したいと考えている場合は、自社側から積極的にアプローチができるプッシュ型が適しているでしょう。
その中でも、テレアポは効率よく多くの層にアプローチできるので、コストパフォーマンスの良い獲得方法です。
テレアポで成功するための重要なポイントは、「良質なテレアポリストの作成」です。
自社の商品・サービスからターゲットを絞ってリストを作成することで、効率よくかつ成果につながりやすいテレアポができるようになります。
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営業リストの作成方法を徹底解説!成果につながる営業リストを作成しよう
リスト収集ツール「リスト収集くん」
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新規顧客営業を成功に導く「事前準備」
最後に、新規顧客営業を成功するために重要な「事前準備」のポイントを紹介します。
新規顧客の獲得を考える際、事前に下記5つのポイントをおさえておくことで、効果的かつ効率的に開拓していくことができます。
- 自社(商品・サービス)の強みを把握する
- ターゲット顧客を明確にする
- 予算を確認・確保する
- 過去の事例を調べる
- 社内で情報を共有する
自社(商品・サービス)の強みを把握する
まずは、自社(商品・サービス)の強みは何かを把握するところから始めましょう。商品・サービスの特徴・メリットを整理し、「自社が一番訴求したいポイント」「他社に負けないポイント」などを洗い出します。
また強みだけではなく、自社の弱みも分析するようにしましょう。工夫すれば弱みを強みに変えることもできます。
具体例として「訳あり商品」を例にあげます。味や鮮度に問題がないが、大きさが足りない、色にむらがあるなどの理由で規格外となり、廃棄されてしまう問題がありました。これらを逆にキャッチコピーとして安く売り出したことで、爆発的に売れゆきがよくなりました。
このように弱みのなかにも強みになりうる何かしらのヒントが隠れていることがあります。強みだけはなく弱みにも目を向け、商品・サービスのセールスポイントを見つけることが大切です。
ターゲット顧客を明確にする
自社の商品・サービスによってターゲットとなる顧客は異なります。ターゲットを明確にすることで、必要な情報やアプローチ方法がスムーズに決まりやすくなります。
前述した商品の特徴や強みを参考にして、自社の商品・サービスに興味・関心・ニーズがありそうなターゲット顧客を選定するようにしまりしょう。
予算・リソースを確認・確保する
一般的に新規開拓では、既存顧客への営業と比べて5倍のコストがかかると言われています。顧客や市場のリサーチ、顧客ごとの提案や資料の準備など、獲得コストが高いにもかかわらず利益率が低いからです。
それでも既存顧客の客離れリスクを考えると、新規顧客の継続的な獲得は必要不可欠であり、予算の確保も重要になっていきます。
また通常営業は、新規開拓以外にも他の業務も同時進行で行います。どれくらいの時間・リソースが割けるかを事前に把握しておきましょう。
過去の事例を調べる
自社が過去に実施した新規開拓のデータ・事例を参考にするのも1つの手です。多くのデータには、過去に新規開拓を行なった地域や業種、その時の反応などが記載されています。
過去の事例を参考にし、どのような効果があったかを調べた上で、自社が行うアプローチ方法を検討するようにしましょう
また顧客の状況やニーズは絶えず変わります。「当時はニーズが無かったが、今は欲しいと感じている」といった顧客が過去のデータに眠っているかもしれませんので、過去事例を参照することをおすすめします。
社内で情報を共有する
営業は顧客との一対一で行われるため個人戦と思われがちですが、チーム一丸となって取り組むことで成果につながりやすいです。
情報共有することで、A社の成功事例をB社でも試してみるなどの使い道があり、チーム全体の生産性向上につながります。
またマネージャーにとっても、顧客情報や商談情報が共有されることによって進捗具合を確認できるため、今後の方針を決めやすいメリットがあります。
まとめ:自社に合ったアプローチ方法を選ぼう!
今回の記事では、企業が継続的に利益を出すための新規顧客への営業方法についてご紹介しました。
プッシュ型・プル型ともに新規開拓において有効な手段です。テレアポやオウンドメディア、SNSなどさまざま手法があり、最適な獲得方法は企業によって異なります。自社やターゲットの状況にあわせ、最適な獲得方法を模索していく必要があるでしょう。
またこれらの手法を最大限に活用するには、入念な事前準備が重要になっていきます。
ターゲットの選定、自社の強み・弱みなどをきちんと把握しておくことで、顧客への訴求ポイントが明確になり、後の商談がスムーズに進み成約につながりやすいです。
当記事を参考に、自社に最適な獲得方法を駆使して顧客アップにつなげていきましょう!
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